アメリカで購入したSIMフリースマホが、日本から戻ったら急に動かなくなった!(2022年版)

アメリカのスマホ

アメリカに駐在や留学で来ている日本人にとって、SIMフリースマホに現地のSIMカードを買って利用する、というスタイルはかなり定着してきているのではないでしょうか?特に日本とアメリカで移動が多い方にとって、毎回日本の空港でWi-Fiルーターを借りるのも費用的に負担が大きいので、現地SIMはとても魅力的なオプションだと思います。

 

しかし、SIMフリースマホを使っていると、日本、もしくはアメリカでスマホが急に通信が使えなくなった、というトラブルを経験されたこともあるのではないでしょうか?今回は、日本とアメリカを行き来する駐在員やそのご家族、留学生が直面するかもしれない、スマホが急に使えなくなるトラブルの原因と対処法について、ご紹介していきます。

 

スマホで通信が使えなくなる原因は?

スマホを片手に問いかける日本人女性

日本、もしくはアメリカでSIMフリースマホが急に使えなくなるトラブルについて、良くある2つのケースをご紹介していきます。もちろんこの2つ以外が原因になっていることもありますので、その場合は「アメスマ」のサポートページよりご相談ください。

 

【周波数帯(バンド)】

まず一番多いのが、この周波数帯(バンド)が合わずに、通信が使えないというトラブル。やや専門的な内容になりますが、電波にはいろいろな種類があり、利用用途に合わせて異なる種類の電波を使います。この異なる種類の電波がいわゆる周波数帯(バンド)と呼ばれるものです。各通信キャリアは周波数帯を組み合わせて、どこでも携帯電話が繋がるようにネットワークを構築しているわけですが、各通信キャリアに割り当てられている周波数帯はそれぞれ違ってきます。

 

例えば、日本のNTTドコモにはバンド1~10、auには11~20、ソフトバンクには21~30、アメリカの通信キャリアであるVerizonには31~40、AT&Tには41~50、T-Mobileには51~60、といった具合です。実際には、もっと網羅的に周波数帯をカバーしていますし、各社被った周波数帯を利用していることもあります。

 

【APN設定】

聞き慣れない方もいるかと思いますが、SIMフリースマホ、格安SIMを利用するうえでは理解しておいたほうが良いことなので、是非この機会に理解を深めていきましょう。APNはAccess Point Nameの頭文字を取ったもので、スマホなど携帯電話の回線を使って何かデータ通信をする機器が、インターネットなどのネットワークにアクセスする際に必要となる設定のことです。簡単に言ってしまうと、スマホがインターネットにアクセスするために必要な情報や設定ということです。

 

パターン1:持っているスマホの対応周波数帯と、利用するキャリアの周波数帯が合わない

MVNO対応のスマホ

先ほど周波数帯(バンド)についてご紹介と説明をしましたが、ある一つのスマホが全ての周波数帯に対応しているということはまずありえません。なぜなら、全ての周波数帯に対応するとなると、スマホのスペックもそれだけ大容量が求められますし、サイズも今のものよりも大きくなる可能性が高いでしょう。さらに値段も上がり、あまり利用者のためにならないはずです。そういった背景を踏まえ、スマホメーカーは各国や各キャリアの周波数帯に対応したスマホ端末をそれぞれ別々に製造しています。

 

例えば、Apple社のiPhoneだと、一つの型番(iPhone XSやiPhone XR)に対して、複数のモデルを各国や各通信キャリアの周波数帯に合わせて製造しています。見た目は全く同じなのに、中身(どの周波数帯で使えるか)は変わってくるのです。このため、日本のNTTドコモで購入したiPhone XSをSIMロックを解除してSIMフリースマホにしたとしても、アメリカの通信キャリアT-Mobileでは利用できないという現象が発生します。(※iPhone XSやiPhone XRはかなり多くの周波数帯をカバーしているので、実際は使える場合が多いのですが、あくまで例としてお話しています。)

 

このスマホが周波数帯に対応していないというトラブルは、特に格安スマホで良く起こります。というのも、格安スマホはコストがかからないよう必要最低限のギリギリのスペックで設計、製造されているため、かなり限定された周波数帯にしか対応しておらず、海外の通信キャリアの周波数帯には非対応ということが良くあります。後々、トラブルの原因になる可能性もありますので、単純に安いから良いというわけではないということが言えるでしょう。

 

こういった周波数帯関連のトラブルを防ぐシンプルな方法として、筆者は日本、もしくはアメリカでiPhone 7以降のモデルを購入することをオススメ致します。理由は、最近のiPhoneは日本とアメリカの各通信キャリアがメインで使う周波数帯をバランスよくカバーしているからです。逆にオススメしないのは、日本のアンドロイドスマホをアメリカで利用する場合です。このパターンだと、スマホがアメリカの通信キャリアの周波数帯にほとんど非対応で、スマホを買い替える必要があるからです。

 

上記の中でも一番のオススメは、アメリカでiPhoneを購入して利用することなのですが、この場合、日本の技適マークを取得していないため、このスマホを日本で利用する場合、法律上グレーな扱いになってしまいます。アメリカのiPhoneは写真を撮るときに音が鳴らないので、音を立てたくない状況下で写真を快適に取ることができ、とても便利です。スマホ・SIMカード販売提供者としてはオススメできませんが、個人としてはオススメ、という何とも矛盾した見解を持っています笑。

 

アメスマPR

パターン2:APN設定が間違っている

先ほどの周波数帯トラブルに続き、最近多くなってきているのがAPN設定関連のトラブルです。本来、APN設定は各通信キャリアによって定められているもので、携帯ショップで販売されているスマホには、各通信キャリアでそのまま通信ができるように、あらかじめAPN設定がスマホに実装された状態で販売されています。そのため、普段利用者がAPN設定をする必要はないですし、その存在すら知られていない場合がほとんどです。

 

これが近年台頭してきた格安SIM業者(MVNO)や、SIMフリー化の動きによって、状況が変わってきました。例えば、D社で購入した携帯のSIMロックを解除し、SIMフリースマホにした後に、新たにそのスマホを使ってS社と契約する場合、スマホのAPN設定をS社の通信方式に合わせて変更する必要があります。大手通信キャリアに乗り換えるときは、近くの携帯ショップに行けば丁寧に対応してもらえると思いますが、これが格安SIMの場合、もしくは国をまたいで利用する場合は、自分でインターネットなどの情報を参考にしながら、APN設定を変更する必要があります。

 

しかし、多くの利用者はそもそもAPN設定の存在を知らないため、SIMフリースマホであれば、SIMカードを差し替えればそのまま利用できると思い込んでおり、いざSIMカードを差し替えただけでは利用できない、というトラブルが起こるのです。

 

実際にあった問い合わせ事例

これからご紹介する事例は、弊社のあるお客様に実際に起こったトラブルに関するお話です。その方は、アメリカのVerizonのiPhone 7を購入し、しばらく利用した後、日本に半年ほど戻ることになりました。またアメリカに戻ってくる予定もあったため、日本ではKDDI系格安SIM業者のmineoで通信サービスを使っていました。VerizonのiPhone 7はSIMフリースマホであったため、日本のmineoでも問題なくスマホを利用できていました。

 

そのトラブルは、アメリカに戻ってきたときに発生しました。元々利用していたはずのVerizonと再契約し、同じiPhone 7を利用したところ、高速データ通信4G LTEの電波をキャッチせず、3Gの電波しか掴めなくなりました。地元のVerizonストアやAppleストアに持ち込んで色々チェックしてもらいましたが、原因は一向にわかりませんでした。

 

そんな中、弊社にお問い合わせいただき、スマホをチェックしていて、ようやく原因が判明しました。それは、日本で利用していたKDDI系格安SIMのmineoのAPN設定がiPhone 7に残っていたために、アメリカのVerizonの電波をきちんとキャッチできていなかったのです。iPhoneの設定アイコンから、「一般」に飛び、その中にある「プロファイル」というところに、日本のKDDI系格安SIMのmineoのプロファイル(APN設定)が残っていたため、その情報を削除。電源を入れ直したところ、無事、高速データ通信4G LTEをキャッチし、問題解決できました。

 

ここで重要なのは、APN設定はiPhoneの設定アイコン「一般」⇒「ネットワーク」でネットワーク設定をリセットされても、そのプロファイルが残っているため、問題が解決しないということです。日本やアメリカ国外の通信業者のSIMカードを利用する場合、何かしらのプロファイルをダウンロードすることがありますが、アメリカに戻ってきてスマホを利用する際は、必ずこのプロファイル(APN設定)が残っていないか確認するようにしましょう。

 

日本、もしくはアメリカで突然スマホが使えなくなったら…

日本やアメリカを行き来していて、スマホが上手く電波を掴まなくなったとしたら、まずは周波数帯(バンド)と、APN設定に問題がないかチェックするようにしましょう。弊社に問い合わせいただく通信トラブルのうち、この二つが関連して発生している問題がほとんどです。これらが原因ではなく、スマホの通信トラブルでお困りの場合、「アメスマ」のホームページまで、いつでもご相談ください。日米で20年以上スマホ・通信事業を行ってきており、様々な事例を解決してきた実績があります。

 

【アメリカSIMとSIMフリースマホはアメスマがおすすめ!】

アメスマは日本にいる間にアメリカSIMSIMフリースマホを購入できる便利なサイトです。アメリカSIMとSIMフリースマホをセットで購入すれば、わざわざSIMロックを解除したり、周波数帯を調べたり、渡米後、アメリカSIMを買いに出かける必要がありません。詳しくはアメスマホームページをご覧ください。

 

またアメスマでは、YouTubeチャンネルで渡米時に必要となる情報やアメリカ現地での生活お役立ち情報を定期的にアップしていますので、ぜひそちらの動画もチェックいただけると嬉しいです。

 

アメスマYouTubeチャンネル

 

アメスマPR

 

Tags

WRITER

【🇺🇸生活、起業、経営、投資情報発信】アメスマ社長@テキサス州ダラス。MBO&事業売却後、日米4社オーナー経営中。慶應/UC Irvine交換留学。🇺🇸11年目、Accredited Investor、投資先は米国医療機器ベンチャー。NuFund、Link-J所属。趣味:旅、サッカー、テニス、ポーカー、グルメ

アメリカで購入したSIMフリースマホが、日本から戻ったら急に動かなくなった!(2022年版)

お友達に記事をシェア

この記事を気に入ったら
いいね!しよう

アメスマの最新情報をお届けします。